リンパ浮腫とは
手術で骨盤内のリンパ節をとることにより、リンパ液の通り道が少なくなり、
リンパ液が足や陰部に溜まることにより起こる「むくみ」を言います。
また、放射線治療後にも、「むくみ」が生じることがあります。
エナジーでは足つぼやリンパドレナージュで、
その症状を予防または改善するためのお手伝いをさせていただきます。
出現時期
お客様によって違います。
同じ手術をしていても「むくみ」のでない人もいますし、手術直後からでる人、
また手術後数十年経ってからでる人もあります。
リンパ浮腫は一旦、発症すると残念ながら完治することは難しいです。
しかし、適切なケアをすることで症状をコントロールし、ひどくならないように維持することが可能です。
リンパ浮腫の症状
浮腫は、足の付け根の内側から腫れやすい
また、「全体にむくむ」、「重い」、「だるい」、「疲れやすい」、「手術した側の足がはれぼったい」などがあります。
リンパ浮腫の進行度
浮腫の状態によって 0期~3期に分類されます。
リンパ浮腫は治療せずに放置するとゆっくりと進行しますが、どの時期であっても
適切な治療(ケア)を行えば現状の維持や改善をはかることができます。
ご自分でリンパ浮腫の管理ができるように一緒に頑張っていきましょう!
0期(潜在期) |
・むくみはない |
1期 |
・水分が多い柔らかいむくみ |
2期 |
・タンパク質が多い硬いむくみ |
3期 |
・皮膚色が変わり、皮膚が硬さを増して角化する |
感染予防と早期発見のために、肌の清潔保持と正しいスキンケアの方法を覚えておくことが
必要です。感染を予防するために、清潔を心がけましょう。
- 1 白癬(水虫)や巻き爪、深爪は炎症の原因となりやすいので、主治医に相談しましょう。
- 2 手術後の足は乾燥肌になる傾向にあります。
乾燥した皮膚は感染から守防御機能が低下しているので、保湿する必要があります。 - 3 足に傷を作らないように注意しましょう。
- 4 虫さされに注意しましょう。
- 5 傷を作ると感染を起こしやすくなります。
症状がよくならなければ医師に相談してください。 - 6 皮膚に炎症を起こすような、急激な日焼けに注意しましょう。
- 7 慣れない靴やハイヒールなどは、靴ずれを起こす原因になるので注意しましょう。
- 8 脱毛を行う場合は、出来るだけ電気カミソリ(毛根を抜かないタイプ)を
使用するようにしましょう。
- 1 正座を長時間(足がしびれるほど)行うと、膝の裏でリンパ液の流れを止めることになり
むくみが増強しますので、短時間で姿勢を変えるようにしましょう。 - 2 運動はストレスにならないよう、テレビを見ているときなど
リラックスしている時間に行うとよいでしょう。 - 3 肥満や体重増加は浮腫を悪化させる恐れがあります。
- 4 サイズの合わない靴下やストッキング、足の付け根を締め付ける下着は避けましょう。
- 5 常に足のサイズに合った靴を履くようにしm靴ずれやケガをないようにしましょう。
- 6 飛行機に乗るとき、リンパ浮腫のある患者様はサイズの合った弾性着衣を着用し、
水分をしっかり摂りましょう。 - 7 長時間のサウナと風呂は控えるようにしましょう。
圧迫着衣を着用することで、リンパ液が足に溜まるのを緩和し、
流れをよくすることで足の浮腫を軽減することができます。
- 1 術後一時的に陰部や太ももが腫れることがあります。
その間はサポートタイプのストッキングを着用したほうが楽な場合があります。
または、陰部だけの場合は、ボクサータイプのショーツや、太ももまであるタイプのスパッツやガードルでもかまいません。 - 2 市販のサポートタイプのストッキングを使用する場合は、一般の薬局薬店、スーパーなどで購入することができます。
- 3 パンティーストッキングはしわにならないように着用するようにしましょう。
- 4 市販のストッキングの中でも、圧力の一番弱いものから始めましょう。
(術後活動時間が増えてきたときから着用するようにしましょう。) - 5 パンティーストッキングは期商事に着用し、入浴・就寝時に外すようにしましょう。
ストッキングを外してからは、なるべく活動しない生活パターンを心がけましょう。 - 6 就寝時は下肢を挙上するようにしましょう。楽と感じる程度で十分効果があります。
- 7 足全体が赤く腫れたり、熱をもつような症状が出た場合は、ストッキングの着用はやめるようにしましょう。
- 8 リンパ浮腫の症状が出た場合(市販のストッキングがきつくなる場合など)は、
程度に合わせた医療用の圧迫着衣を使用した方がよい場合がありますので、
医師・看護師へご相談ください。
適度な運動をすることで、リンパ管がポンプのように動き、リンパの流れを促進することができます。運動はゆっくりとリズミカルに、リラックスした状態で繰り返し行うと効果的です。
- 1 運動は主治医の許可が出てから開始しましょう。
簡単な下肢の運動を行うことで、リンパの流れがよくなります。足首・膝の曲げ伸ばしを行いましょう。 - 2 運動を開始してからも、疲労を感じない程度を心がけましょう。
- 3 ストッキングを着用した状態での運動は効果的と言われています。
- 4 散歩やサイクリングなど、関節を大きく動かす運動は効果的と言われています。
- 5 腹式呼吸はリンパ管への刺激となり、リンパ液の流れを促進するので効果的です。
- 6 重い荷物を繰り返し持ち上げる動作や、
疲れを翌日まで持ち越してしまうような運動は避けましょう。 - 7 筋肉自体がポンプの役目を果たすので、筋肉を落とさないようにすることも大切です。
リンパ浮腫を起こしている患肢は、組織液が正常に循環されないため、本来の免疫力が低下し、
細菌を処理する力が弱くなっています。そのため、細菌などが傷口から体内に入ると、炎症を起こしてしまいます。この状態を蜂窩織炎といいます。
蜂窩織炎を発症すると、それがきっかけでリンパ浮腫の症状がひどくなる場合がありますので、
できる範囲で感染予防をしていきましょう。
症状
38度以上の高熱、患肢全体が赤みをおびる、患肢にポツポツと赤い点ができる、患肢に熱をもつ、痛みを伴う、など
対処法
- 1 速やかに、かかっている科へ受診をしてください。
- 2 患肢全体を冷やしてください。
[方法例]
アイスノン、ビニール袋に氷水を入れたもの、冷たいタオルなどで冷やす。
※注意 アイスノンなどを利用されるときは、凍傷をおこさないようにタオルなどで覆って使用しましょう。
禁忌
- 1 冷シップ・冷却シートなどは貼らないでください。
皮膚を傷める場合があり、2重の感染源になります。 - 2 ドレナージや圧迫着衣は炎症がおさまるまで中止してください。
※場合によっては、入院して治療が必要になることがあります。